生と死。

 id:hhosono:20040916#p2で輪廻転生についてちょこっと書いたら、「輪廻転生と永劫回帰の違いをできるだけ詳しく教えてください」という感想メールをいただきました。うれちい。
 できるだけ詳しく、というのはいきなりは無理ですが、
多くの思想、宗教、民俗文化における輪廻転生というのは、前世、現世、来世を基本とした、肉体は滅んでも精神(≒魂)は不滅であり、肉体は単なる精神(≒魂)の容器に過ぎないという考え方のことです。多くの宗教では、生き方によって、転生したときの存在が変わるとされています。
 一方、永劫回帰というのは、ニーチェがある日、突如「体験」したもので、自分の一生がその偶然性をも含めて永久に繰り返されるというもの(のはず)です。つまりニーチェは、自分が死ねば、また自分の生まれた瞬間から死ぬまでが委細漏らさず永久に繰り返されると感じたのです。もちろん、この「体験」の客観的な普遍性はニーチェを含めて誰にも証明できません。
 というわけで、輪廻転生は肉体はそれぞれに人生において異なるが、魂は不滅であるという考え方で、永劫回帰は肉体も精神も死を契機に永久に繰り返されるという考え方で、両者は、前世も来世もないという考え方を中心として両極にある考え方になります。

 これで答えになっているでしょうか?