テクノ、テクノ、テクノ!(卓球ボイスで)
id:Bang-choとid:ms-4君のミュージカル・バトンを読み返していて、自分がクラブに行き倒していた93〜96年のことを色々思い返していた。
その中でも思い出深いのは日本発のテクノ野外フェス、Natural High! '95(以下、NH)と一回目のRAINBOW2000(以下、RB)だ。
NHとRBの頃、つまり95〜96年は電気グルーヴを中心としたジャパニーズ・テクノ・ムーヴメントの黄金期だ。*1
NHはまず、テクノを野外で聴くという事自体に興奮した。遠足+クラブって感じ。行きの車中でフル・ヴォリュームでIさんDJ-mixed by Iさんのテクノを聴きながら、並行して走る、明らかにNHへと向かっている団体バスに乗った女の子に笑顔で手を振ったり、相手もフレンドリーに応じてくれてすげー一体感を感じたし。id:Bango-choなんか、会場つくなり速攻で
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あれは本当にすごかった。終わったときに花火が上がって、粋なはからいに感謝したし、その後、アフター・アワーズが夜中に代々木公園であるって聞いて即座にかけつけたもんな。勿論、その時の面子全員が行って、その中でぼくが一番体力ない筈なのに、友達が次々と力尽きていく中、朝まで踊り来るってたし。*3
ぼくは「俺の若い頃はさー、こんないいことがあってさー、でもあれはもうないからお前たちは不幸だよなー、俺は良かったよー」と偶然、早く生まれたことの特権性を嬉しそうに語る連中が心底嫌いだ。*4
ぼくやid:Bang-choがどれほどテクノが好きで、かつOTAKUだったかというと、当時一緒にスタッフやっていたTRPGサークル*5の会報の12ページ中、4ページを使って写真入りでレポート載せるくらい。*6……会報探してみよう。魔界のどこかにあるから。
この文章を書き始めると同時に
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ここまで書いて、ちょうど、
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上記の続き、今度は
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そして96年に開催された第一回RAINBOW2000。面子が卓球、AUDIO ACTIVE、ケン・イシイ、C.J.Bolland(以下、CJ)、そして「あの」細野晴臣御大とくればもう行くしかないでしょう!
今回のレイヴがNHと異なる点は会場が富士山2合目に位置する日本ランドという遊園地であることと、夕方から朝にかけて行われたということ。このときは同行者の人数から車2台で行った。車中で昨年のNHを思い出しながら脳汁でまくり。
ぼくたちが会場に入り、メイン・グラウンドに入ったときにはDJ FORCEのDJのラストで、ロッキーのテーマのドラムン・ベース会場で会場が盛り上がっていた。その後、飲食物を買いに並んだりしていたと思う。
そして卓球のプレイ。卓球氏はいつもどおり、メロゥでハードで茶目っ気たっぷりなDJで皆、ニコニコ。最後に
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そしてCJのDJ。DJプレイ自体のハードかつトランシーな選曲とまるでミックスなど一切しておらず、一つの曲をかけているかと錯覚するほどに融合したDJプレイもさることながら、霧が立ち込め、流れ行く雲の狭間から見える満天の星空と壮大な大伽藍を支える柱のような数条のサーチライトの光を見ながらというシチュエーションはすさまじかった。CJのプレイの素晴らしさは、そうしたシチュエーションの中、曲の展開に合わせて雲が流れていったことだ。だって、ディープな展開のときは霧が濃くなり、空もほとんど雲に覆われていたのに、それがアッパーな展開になるにしたがっているかのように雲が流れていって星空が観えたんだよ! ぼくにとって、このときのCJのプレイが現在、生涯最高のDJプレイだ。このとき、最大級の賛辞としてCJに「神の子」という称号を送った。それくらいすごいのだよ、あの時のCJのDJは! 名盤
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その後、ケン・イシイのライブ。渋い展開で最後に「EXTRA」で盛り上がった。
その後、ぼくは一人でチルアウト・グラウンドに行った。公式タイム・テーブルに間違いがなければKIHIRAという人のDJだったが、満天の星空の中、アンビエント・テクノを聴いて、その状況そのものになったような気がした。会場についてすぐに買ったRB公式ロングスリーブ・Tシャツが不思議な光を放っていたのも嬉しかった。
この時間帯になってきて自覚したのが2合目とはいえ、霧が立ち込める富士山はとてつもなく寒いということ。「踊ってないと凍え死ぬ!」って感じ。
ここまで書いて、「Brazilian Cowboy」がちょうどかかった。いい感じ。
そしてアンダーワールドのライブ。今回のレイヴのライヴ・アクトの白眉。「cowgirl」や「pearls girl」で半泣きになりそうになりながらの最後の「born slippy」は皆、諸手を挙げてフロア大爆発。*9しかもあの素晴らしいサビをこれでもかっていうくらいに繰り返した最強バージョン。ダワールドの三人のバランスの底力を思い知らされた。
ここまで聴いて
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この後、ぼくは一人でチルアウト・グラウンドに独りで行って、SOMETHING WONDERFULのライブと細野晴臣さんのパフォーマンスを観にいった。細野さんはライブをやるのかと思ったらDJで、しかもあまり良くなくてがっかりした。
ここまで書いて、「虹」終了。id:Bang-choの言うとおり、
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しかしその後、KAY NAKAYAMAさんのDJを聴きながら見た朝日は素晴らしかった。荘厳とはああいうことを言うのだろう。
ここから体力的な限界でダレ始めるid:Bang-choとⅠさんは帰りも車を運転しなければならないため、避難所で寝ていたし、*11ぼくらも疲れていたし、ただ、朝陽の中で聴いたトライバル・トランスはちょっと良かった。
そして大取りは当時Mr. Happy Techno DJとして知られていたDJ YO-C。でも何か展開が良くなくてがっかり。
帰りにクラブイベントは初めてだったid:ms-4くんに「どうだった?」って聴いたら「楽しかったっすよ。渋いのが好きだからYO-Cはちょっとって感じだったけど」って応えたのを聞いて、誕生日プレゼントに
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ネット上での他のRBのレポは以下のページ。
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/SonyTechno/news/9609/index.html
ぼくより数歳年下で地方出身の電気グルーヴ・ジェネレーションの人や、今、青少年の人は、ぼくの上記の体験を羨ましがるべきではない。ぼく個人にとっては上記の体験は重要だが、これは絶対的、客観的に重要なわけではない。電気グルーヴをはじめ、上記ミュージシャンやDJの作品は今でも入手可能だし、体験としてのムーブメントは上記以外でもそこかしこにいくらでもある。世界は歓喜と苦痛に満ちている。そこから如何に歓喜を感じ、苦痛を回避するかはあなたの生き方そのものだ。自分の手でムーブメントを見つけ、参加し、作り上げてください。ムーブメントって、そういうものだよ。
*1:勃興期はトーキョーゲーマーズナイトとTABがあった93〜94年。
*2:ぼくのディスク・コレクションの中で大事なものの一つに、本人サイン入りの
*3:その後の体力的なつけに苦しんだけど。
*4:唐沢俊一氏とか岡田斗司夫氏などなど。しかし環望さんやみほとこうじの昔話を拝聴するのは心底好きだ。
*5:OPUS 鄴を好きだった人、ぼくと握手!
*6:当時はワープロ&林檎様で作った原稿のプリントアウトと手書き原稿をコンビニコピーしてたな。あれで印刷の基本とコピー機の使い方を覚えた。今だったらPCとレーザープリンタでフル・オンデマンド印刷するけど。
*7:卓球氏は「B.B.E Bull Beam Express」とか
*8:CJに関して記述しているときだけ『DRAGON』を中断して「Camargue」をかけた。
*9:テクノ、ハウス系のクラブイベントでは自然と皆、盛り上がったところで両手が上がるのだ。
*10:リリース順としては
*11:そのせつはお疲れ様でした。感謝です。