id:hhosono:20050609#1118323119の注釈で

魔女っ子と言えば、夏一葉さんの作った批評同人誌『次元往復』第2号の「魔女会議」が非常に興味深い。しかし、一点だけ批判をすれば、夏さんは「ある時期から魔女っ娘は大人に変身しなくなった」と書いているが、これは断定するほど魔女っ娘作品の質的変化として見られるものではなく、「ある時期から魔女っ娘ものは大人に変身しない作品の比率が増えた」というのが正確であるし、「セーラームーン以降、集団育児をするようになった」というのは完全に間違いだと思う。集団育児をする魔女っ娘ものは、ぼくの知る限り、「セーラームーン」シリーズと「おじゃ魔女どれみ」シリーズくらいのもので、数としては非常に少ないからだ。この2作品は長年にわたって大ヒットしたが、集団育児をすることがヒットの主要因とは思えない。

と書いたが、考えを改めた。結論から言うと、ここでの夏さんの言わんとするところ、指摘しようとしているところは非常に重要だが、言い方が不正確だったということだ。
 「セーラームーン」と「おじゃ魔女どれみ」シリーズは90年代の2大魔女っ子アニメである。魔女っ子もの全般が夏さんの言ったような変化を遂げたわけではないが、上記二作品が90年代以降の魔女っ子作品の二台巨頭である以上、そこには、二作品の作り手と受け手である男性おたくの無意識が反映していると考えられる。だから、夏さんがこの二作品に注目したのは慧眼と言える。小谷真理さんや北原みのりさんが対談中で仰っているとおり、女性は年老いていくと苦労するし、男性が存在せず、女性だけで生活し、子どもを育てられたらどんなに幸せかということが上記二作品から読み取れるわけだ。