11時前に起床。午後になってAndyが「友達に頼まれたから」と仏具店で数珠を購入。

魔法先生ネギま!(12) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(12) (講談社コミックス)

が面白い。連載開始当初は作品そのものというより、赤松さんのマーケティング・リサーチの手腕を拝見する目的で読んでいたが、修学旅行編あたりから作品自体を楽しんで読むようになった。あと、呪文にラテン語使ったり、ハイデガーとか
論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (岩波文庫)

出てきたりと所謂現代系オタへのフラグを用意したりしているところもにくい。
id:hhosono:20041124#p3で
武装錬金 1 (ジャンプコミックス)

武装錬金 1 (ジャンプコミックス)

と『ネギま!』について、期待を込めた文章を書いた。惜しくも『武装錬金』は終了してしまったが、『ネギま!』は今でも好調に連載している。
 ぼくは両方とも愛読しているが、前者が連載を終了し、後者が今でも多くの読者に支持され、連載が続いていることの要因としては、とりあえず二つのことが考えられる。
 一つは発表媒体である『週刊少年ジャンプ』と『週刊少年マガジン』の読者層の差異である。両者共に二次創作的パロディを前提としない男女の読者がそれなりにいるとして、その上で現在の二誌は、二次創作の「元ネタ」としては、前者は主に女性に、後者は主に男性に支持されている。そうした読者層の中で『武装錬金』はやおい好きの読者への読解可能性もあったが、主軸となる物語はドラゴンボール以前の『ジャンプ』を想起される展開だった*1ことが、やおい好きの読者から多くの支持を集められなかった原因なのではないかと推測できる。
 もう一つは『武装錬金』が、酒鬼薔薇事件や大槻ケンヂの詩など、90年代半ばに起きた事件やサブカルチャーに依拠する想像力に支えられており、それが今の10代の読者には既に「古いもの」となっているのではないかと思われる。それは時代の流れがそれほどまでに早くなったというより、70年代以降に始まり、全面化した社会の流動化ということがより適切と思われる。*2
 それにしても『武装錬金』も『ネギま!』も面白い。『武装錬金』が終わったのは本当に残念だ。『ネギま!』の魅力については日を改めてまた書く。

*1:もちろん、単純に「ドラゴンボール」以前の『ジャンプ』作品だけを元ネタにしているわけではないし、全ての読者もそうした読みをしているわけではない。

*2:そして「大人」になってしまった(であろう)和月さんが90年代の荒廃に着想を得て本作品を描いたことが、ぼくが面白いと思えた一因だろう。