おたくへの視線。

 キャプチャーボードを購入して以来、PCを使っているときは常にエアチェックしている。そのため、ちょっとでも気になった映像は全て録画している。それらの中におたく関係の番組が数多くある。おたく関係といってもアニメや特撮ではなく、ニュースやバラエティ番組などでのおたく特集である。
 最近観たものの中では、11月06日に日本テレビで放送された「テレつく!」が面白かった。
 この番組では、アイドルおたくの技を紹介していた。師匠としてばか師匠さん、OTRさん、ラーメン通さんが登場。ぼくもそれなりにidoru好きではあるが、撮影/握手/サイン会、コンサートの類に興味がないので*1、撮影/握手会での技術を紹介したこのコーナーは、門外漢であるぼくには非常に興味深い。

*アイドルおたくの基本
「D・D」=誰でも大好き=「一人のアイドルだけでなくみんな応援しよう」の意。

*番組で紹介されたテクニック。

1.複数のカメラを使い分ける。
 暗所、出待ちや路上ライブでの降雨の時、手ブレ防止など、状況によって複数のカメラを使いわけたり、撮影会でアップは一眼レフ、全身はデジカメ、そしてチェック&サイン用にチェキでの連続撮影。

2.カメラにぬいぐるみをつけて目線をもらう。
 場数をこなした人ならではの発想で関心する。笑ったのが、例として飯尾さんがアイドル役で目線をもらう方法を実演したときに撮った映像を見て、アイドルおたく師匠のラーメン通さんが金髪のかつらをつけた飯尾さんの画像で「萌え」を連呼していたこと。テレビ番組ということやおたくの自意識的特性を考えると「ネタ」かつ「マジ」なんだろうけど、不思議と黒いものを感じなかった。
 また、カメラという「眼差し」に可愛いものをつけて欲望の対象であるアイドルから目線をもらうという行為は斎藤環さんが泣いて喜びそうな技。

3.握手の際、ぬいぐるみをわざと落とし、拾う行動によって時間を稼ぐことで次の人が長く握手をできるという連携プレイ。
 前の人の協力によって成り立つこの技、いやこれだけに限らないけれど、この番組で様々なテクニックを紹介することで、真似をする人が出るのでは、と素朴に思う。しかしエッジの人々はそれをも超える技を考案しており、マスメディアで紹介することでこれらの技を禁じ手にしようとしているのかもしれないとも思う。

4.舞台が若干高い場合、あおりのアングルにならないようにあえて後列中央に位置し水平なアングルをキープ&さりげなく身を乗り出すことで目線をもらう。
 これもやはり試行錯誤を通じての技。

5.後ろに人がいない端にポジショニングすることで接近しながら座らずに撮影し、立ち入り禁止ラインを一瞬超えることで目線をもらう。
 もうこの域に来るとまさに神技、まさにOTRマジック。ラインを超えたことに対する謝罪の礼もにくい。

 番組としてはまぁ、おたくに対して好意的だったと言えると思う。ぼくは師匠の三人は素直にすごいと思った。

*1:ぼくにとって、メディア上にしかidoruは存在しないから。