mnemorandam

 とにかく定期的に更新したいので、思い付いたことをメモ代わりに記述しようそうしよう。
 メモ、というので思い出したんだけど、

JM [DVD]

JM [DVD]

という映画がありますよね。ロバート・ロンゴが監督した退屈な映画。あれを日本で公開していた当時、友達(だった人)と二人で金払って劇場で観たんですよ。その帰りにマクドナルドとかで感想を言い合った時に、ぼくはその時はわりと肯定的な評価をしていて、友達はボロクソにけなすという感じで評価が割れました。でも、ぼくの評価は「ダメだけど今、頑張ってサイバーパンクやってるんだから大目に見てやろう」という感じで、作品自体に対する正当な評価ではなく、対する友達はサイバーパンクが好きだからこそ、そのガジェットの格好良さを損なっているこの映画は評価すべきでないという、作品を観る上で在るべき態度をとっていて、これは見習うべきものだなぁ、と思いました。確かに、例えば主人公がサイバースペースに接続した時にヘッドセット・ゴーグルとモーションキャプチャー・グローブをつけて身振りで操作するとかは非常に萎える。思考とコンピュータ・プログラミングが同等に扱われるのがサイバーパンクちゃうんかと。
 あと、この映画のパンフレットを買ったら「ジョニー・ネモニック」とルビがふってあったので、それにも友達はダメ出ししてました。曰く、「主人公の脳の一部がメモみたいに何でも書き込めるという意味が込められているのだから“メモニック”と書くのが正しい」と。でも"memonic"じゃなくて"mnemonic"なわけだから"nemo"という意味も込められているわけで、ラテン語で"nemo"は「誰でもない」という意味だからダブルミーニングとしてもあってるし、その辺を踏まえて敢えて表記するなら“ジョニー・メ/ネモニック”とでも書くしかないのでは、などとその時に反論したんだけど、実際のところどうなんでしょうね。
 東浩紀さんによる『あいどる』文庫版
あいどる (角川文庫)

あいどる (角川文庫)

の解説はサイバーパンク好きなら必読。

 04年10月26日付記

クローム襲撃 (ハヤカワ文庫SF)

クローム襲撃 (ハヤカワ文庫SF)

所収の「ガーンズバック連続体」を読めば解るように、ギブスンの描く近未来世界は、「現実」の近未来像として考えるよりも可能世界的未来像としてとらえたほうが面白く読める。だから、東さんの解説を踏まえた上でも、ギブスンの描く未来世界はやはり素晴らしい。