マンガとメタフィクション。

 メタフィクションの可能性をもっとも拡げたのは日本のマンガなのではないか、と最近ぼんやり思っている。
 手塚治虫のスター・システムや自身をキャラクターとして作品内に登場させるといった試みに代表されるように、マンガは描く主体すらも多様な形で表現してきた。*1マンガほど、「作者」を自己言及的に描いたジャンルは他にないだろう。
 こうした日本のマンガの特質は、斎藤環さんの言うオタクの記述としての「虚構コンテクストへの親和性の高さ」や東浩紀さんの言う「メタリアル・フィクション」への影響が大きいのではないだろうか。
 メタフィクションという観点から言及したマンガ論ってないですかね?

*1:個人的には、日野日出志さんの作品群のメタフィクション性については、いつかきちんと言及したいと思っている。