魔女から魔女っ娘へ。
先日購入した
- 作者: 横山光輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/05/24
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『コメットさん』の原作版は本書で初めて読んだが、最近製作された
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『コメットさん』を読んでいると、そのテンポの良さ、落ち着いた演出、そしてコメットさんの可愛らしさに圧倒される。さらに私見だが、当時の横山作品は、他の同時期の作家と比べてはるかにご都合主義や破綻がなく、設定やストーリーの面で見事な結構が取れていることがよく解る。それに加えて、コメットさんの可愛らしさと言ったら! 手塚先生や藤子F先生の描くキャラクター*3にも勝るとも劣らない。萌える。萌え転がる。
個人的にもっとも好きなのはバレリーナの少女とその母が出てくる回だ。話としては王道なもので、人によっては陳腐に見えるかも知れないが、ぼくは大好きだ。最良の童話や児童文学を読んだときに感じる、心の琴線に触れる何かがそこにはある。*4何度読んでも、どれほどたくさんの物語に触れても、多くの知識と経験を得ようとも、読むたびに胸を打つこの恍惚感――思うに、これは初めて物語の魅力に触れたときの感動、つまり<子供>の快楽のように思える。
作品自体の魅力だけでなく、マンガの、そしてOTAKU文化の歴史においても
- 作者: 横山光輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/06
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*1:横山作品で初めてマンガで読んだのは『三国志』で、初めて購入したのは
*3:特に
*4:そうしたものを感じる作品として、例えば
*5:魔女っ子と言えば、夏一葉さんの作った批評同人誌『次元往復』第2号の「魔女会議」が非常に興味深い。しかし、一点だけ批判をすれば、夏さんは「ある時期から魔女っ娘は大人に変身しなくなった」と書いているが、これは断定するほど魔女っ娘作品の質的変化として見られるものではなく、「ある時期から魔女っ娘ものは大人に変身しない作品の比率が増えた」というのが正確であるし、「セーラームーン以降、集団育児をするようになった」というのは完全に間違いだと思う。集団育児をする魔女っ娘ものは、ぼくの知る限り、「セーラームーン」シリーズと「おじゃ魔女どれみ」シリーズくらいのもので、数としては非常に少ないからだ。この2作品は長年にわたって大ヒットしたが、集団育児をすることがヒットの主要因とは思えない。