オールスターオタク対抗馬鹿合戦。

http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-050705-0003.html
 「21世紀を担う『オタクエリート』の育成が目的」ですかそうですか。
 Atmic Lemmy.Mに「あー、ホッツ、受けるっしょ?」って言われたけど、そんなものは勿論受けませんよ。
 「オタクエリート」がオタク知識をたくさん持っている人? はっ! 馬鹿馬鹿しいにもほどがある。ほぼ間違いなくやおいやコスプレと言った女性OTAKUが培ってきた分野は設問に入らないだろうし、伊藤剛さんがid:goito-mineral:20040527で見事に指摘したように、ぼくは昔ながらのオタク濃度合戦を「受験戦争にすら落ちこぼれた、論理的思考ができないバカどもが、自分たちに都合よく作り上げた自慰行為」としか思ってないので、興味はあるけど、受けません。だからこの付録が載っている雑誌も新刊では買いません。購入すると、ぼくの考えに関係なく、この企画を支持してしまうことになるので。
 確かに知識は大いに越したことはありません。しかし、豊富な知識を持ち、自分の経験と知識を状況とすり合わせてどのように認識し、その思考を表現することに長けていること――それが選良の選良たる由縁です。
 所謂「頭の良い人」は記憶力、観察力、思考力を兼ね備えているとぼくは考えます。この中でもっともその力を伸ばすのが簡単なのが記憶力です。記憶術は古代ギリシアの昔からあるし、単なる反復練習で記憶力は伸びるます。しかし観察力、言い換えれば自分の置かれた状況と自分の知識から新たな閃きを得る力、つまり発想の飛躍と、思考力、言い換えれば状況と知識を総合した認識を演繹/帰納的論理によって結論を導き出す力を伸ばすことは記憶力を伸ばすことに比して遥かに難しいものです。おそらくもっとも難しいのは観察力、「気づく力」を伸ばすことでしょう。
 本当に「21世紀を担う『オタクエリート』の育成が目的」であるならば、他者とのコミュニケーション・スキルとOTAKUとしての記憶力、観察力、思考力の3つを男性、女性OTAKU文化の両面から問う問題にするのが良いと思います。なぜ、コミュニケーション・スキルも問うかと言うならば、「21世紀を担う『オタクエリート』」はオタクにのみ称賛されるだけでなくOTAKU文化に興味のない人にも「今までOTAKU文化に興味なかったけど、何かOTAKUって格好良いじゃん、OTAKU文化も面白いかも」と思わせるような人だと思うので。