必殺フォーエヴァー。

必殺仕置人 VOL.1 [DVD]

必殺仕置人 VOL.1 [DVD]

の最終回をCATVで観る。
 世間にはびこる悪人の犠牲になった人々の恨みを晴らす仕置人――正義を自称せず、相手が極悪非道の輩とはいえ、人を殺すことの業を自覚するために依頼人から仕事料を取る彼らを描いた本シリーズは、単純な勧善懲悪には出せない、人間と社会の光と闇を克明に活写している。
 ぼくがこのシリーズを最初に観たのは、シリーズ中のどの作品かは覚えていないが、とにかく小学5年生くらいのときだったと思う。子供ながらに深い感銘を覚えたのを今でも鮮烈に覚えている。
 本シリーズの悪役の大半は私腹を肥やすために庶民を蹂躙し、富を得ている者で、その暴力に踏みにじられた庶民がなけなしの金を仕置人に払うことになっている。金銭が暴力、欲望、怨恨の象徴として循環しているのだ。今回の仕置の意図とクライマックスで念仏の鉄が使った銭によって、その構造は見事に結晶化されている。
 出演者とスタッフに深い敬意を表する。