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id:hhosono:20051122で友人とのチャットログを載せた。読み返すと、ここで言った自分の意見がまんま
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チャットの可能性。
文芸誌などで、対談、鼎談、座談会などは昔からしばしば掲載されている。昔は速記や録音したものをテープ起こししていた。テープ起こしでも、手書きの時代と現状では大きく違う。コンピュータのテキストデータを参加者に送って、修正してもらえばいいからだ。
対談などは、大抵、話言葉の言い間違いや省略などを訂正し、文章語に直すだけでなく、文章の構成を大幅に変えたり、発言を削除、加筆などもする。
このこと自体は悪いことではない。しかし、加筆修正をまったく加えないならともかく、テープ起こしの手間やその訂正作業を考えると、チャットで充分ではないかと思う。
東浩紀氏は度々、ネットでは深い議論はできないと発言している。しかし、東氏や東氏が対談するような方々であればタイピングは早いはずだし、相対していることによる独特の雰囲気が損なわれるということを考えても(それだったらビデオストリーミングも導入すればいい)、チャットで対談したほうが、コスト削減につながるはずだ。
例として、ぼくと友人Rのチャットログを公開する。
【江戸文化編】
細野:うー、昨日文学フリマに行った。
http://bungaku.webin.jp/R:こういうのあるんだ! 売ったの? 買いに行ったの?
細野:買いに行っただけ。
R:普通の即売会とは違うの?
細野:マンガじゃなくて、創作同人誌とか評論メイン。
R:あ、文学系なのか。
細野:元々、大塚英志さんが発起人で、二回目以降は彼の手を離れ、有志スタッフによる運営。
R:これはこれで自分の好きなジャンルのがあれば楽しそうだねぇ。
細野:小説、評論、サブカル的ミニコミがメイン。オタク度は低い。
R:来る層も違いそう。
細野:『國文学 解釈と鑑賞』っていう商業誌があって、それの別冊の「江戸文化とサブカルチャー」ってのを買えたのが最大の収穫。
R:ほうほう。江戸も担当範囲だったのね。主に戦後、昭和初期が好きなイメージだったよ、ほっつ。
細野:馬琴とか好きだから。あと、今のおたく文化が江戸文化の影響が大きいという説と、影響がないわけじゃないけど、アメリカからの影響によって変質しているという説があるので、当時の黄表紙とかの流通量とか知りたくて。
R:馬琴のは好きだなぁ。どうだったの流通量?
細野:まだ斜め読みだからわからないけど、この本以前から持っていた知識と総合するとどうやら数百部とからしい。
R:案外多いんじゃないの、それ。
細野:いや、当時の江戸が人口約百万人で、当時世界一の識字率を誇っていて、江戸だけじゃなくて行商人が草津とかにも貸本で卸していたことを考えると、当時の流通形態とか、今の人間との余暇にかける経済状況を考慮しても、素朴に今のおたく文化とは接合できないと思う。
R:ああ、上の「江戸文化の影響が大きい」とかの意味では俺も違うと思う側だなぁ。人の気質が違うもの。所謂悪い意味でのおたく的な人って少なかったと思う。
細野:女性や子供向け、男性向けとか分かれていたし、俳諧とかもあるし、基本的には商家の次男坊とかの通人(気取り)とかでしょ。
R:でも、アメリカからの影響って言われるとそれも違うように思うなぁ。平賀源内とかは見方によればおたくだしなぁ。
細野:あの人はおたくっていうより、マニアというか多芸多才というか、面白いことなら何でもやるぜ、みたいな人じゃん。
R:趣味人をおたく的と考えるとそうだねぇ。>通人
細野:アメリカからの影響ってのは質とか心的問題じゃなくて「雑誌文化、ミステリ、SF、アニメ、ゲーム」と言ったメディアやジャンルが欧米からのものってこと。*1
R:ジャンルはそうだね。確かに。
細野:そういう影響があるから、素朴に江戸文化の継承とは言えないだろうと。
R:情報量も少なかった時代だからマニアックなものは生じ難いだろうしね。>江戸時代
んで、戦後になって武士道的な考え方が廃れるとカストリ雑誌とか出てきたわけだし。細野:馬琴とか鳥山石燕とか根岸鎮衛の『耳嚢』とか相当マニアックだけど、あれも当時の教養人が読者層のメインだった気がする。この辺、要調査だけど。
R:マニアックな有名人は確かにいたみたいだけど、伝播範囲は狭そうね。
【国策編】
R:最近は一次大戦から二次大戦以降くらいの世界史に興味を持ち始めたよ。
細野:へー、何で?
R:かなり知らないことが多くてねぇ。ほら、学校でも浅くしかやらないじゃん。俺、大学での専攻は中国史だったし。日本史、中国史と好きでやってきたから、その流れでかなぁ。
細野:西洋史?
R:どっちかっていうとそうだね。でもほらその流れのなかで日本だったりアジアだったりも含まれてくる感じ。んで今のイラクに通じる流れでもあるんだけどね。
細野:軍事関係? 外交?
R:個人の好みで戦史よりから入ってる。
細野:まあ、そうだな。ぼくはこんな。http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050908#1126203096
R:どれどれ。
細野:戦後昭和史だね。
R:お、けっこうリンクしてくる部分があるかも♪
細野:ここでも載せてるけど、最近、宮台真司が亜細亜主義とか天皇とか言い出していて、片や大塚が護憲派で、単に読んでいてもどちらが正しいのかよく解らないので、政治史勉強しようかと。
R:2.26事件とか近衛文麿を調べたりしたよ俺も。
細野:その辺は熱いねー。
R:どっちが正しいとかは無いでしょ。きっと。ただ、どっちが国益にかなうかはあると思うけど。
細野:国益っていうか、まず、現状の憲法について、国民がどうとらえるべきか、ってのと、外交問題を国民がどう意識するかとか? 結局、自分の立ち位置をどうしようかという。
R:右よりも左よりも個人の好みだよね、結局。
細野:そうね、強いていえばぼくはアナキストだけど、右翼も左翼も嫌いだしね。
R:俺は左よりになるんだと思う。周りの人が痛むのが嫌だし、今の政治家を信用できないから。
細野:ナショナリストではないと?
R:うん。愛国とか売国とか言う奴は信用できないもの。ただ、今の流れとして自衛軍、憲法改正は行われるよ。必ず。
R:でも、前にも言ったけど徴兵されそうなら志願しちゃう気がする。
細野:そうね、9条憲法改正は、ぼくは賛成だけど、対米追従型にならないという前提で。
あと、象徴天皇制廃止、しかし、伝統としての天皇は存続。R:お、考えが分かれるね。俺は9条変えない方がいいと考えてるんだ。
細野:なんで?
細野:それも何で? いや、その前になぜ、9条改正反対?
R:戦争始める時って大抵、現地の居留民(邦人)保護を名目で派兵するんだ。んで今の案だと十分な装備の部隊が行けちゃうから戦争遂行できちゃう。
細野:うん。
R:今のままだとイラクの時みたいに特別決議が必要だからこっそり重武装の部隊は送れないんだ。景気のいい政治家が中韓あたりの暴動に反応したら危険だと思うんで憲法で枷かけとくのがいいかな、と。
細野:ぼくもね、自国保護に徹する自衛隊であってほしいし、国際紛争の際のアメリカの顔色をうかがう、現状憲法からすれば違憲であるイラクその他の諸外国への派兵は反対。
R:ほんとに自衛しなきゃならない事態がきたら現行憲法で無理やり解釈こじつけてでもやれると思う。
細野:自衛隊の在り方と外交面での自衛隊運用を拡大解釈されないようにしてほしいのよ。
ま、この点に関しては概ね一致?R:うん。
細野:天皇は?
R:特に不都合がないと思う。今のままでも。
細野:えと、象徴天皇制について問題感じない? あと、何で女性天皇ダメなの?
R:女性天皇は権力に利用されたら嫌だなと。
細野:そりゃ、女性でなくても男性でも権力に利用される可能性はあるでしょ。
R:利用する側って男じゃない?
細野:まぁ、大抵そうかもね。
R:その場合、相手の年にもよるけど女の人の方が利用されやすいと思う。
細野:それは、天皇としての教育と、周囲のバックアップ次第じゃないかな。利用可能性も含めて、象徴天皇制廃止かな、と。で、御所にお帰りいただく。
R:でも、それは出来ないと思うなぁ。社会の見えない部分でいわゆる国粋勢力とか右寄りな人って力があるんだと思うよ。
細野:あるねー。
R:じゃなきゃ靖国を無理して参拝しないさ。
細野:だからこそ、天皇を国策の利用から開放してあげないと。
R:出来ないでしょ、まず。
細野:象徴天皇制を廃止してもさ、各国訪問とか、そういうのしてもいいと思うのよ。右の人たちは許さないだろうけど。
R:エリザベス女王みたいな感じでしょ。>訪問
憲法も改正されちゃうよ、多分。海外派兵できるようにするために。
細野:そう、イギリス王室とかみたいになればいい。
でも、明治以降の天皇制だけでなく、もっと広いスパンで考えれば三権分立の民主制度の中で象徴として権威借りるのは変だと思う。
いずれにしても利用される可能性大きいね。戦争始まりそうで嫌。R:アベさんとか危険だしね〜。
とまぁ、こんな感じ。専門家の方々に比べれば、議論や知識の深さは及ぶべくもないが、単なる他愛のないお喋りでないこともチャットでできるし、他愛のないコミュニケーションも無視すべきではない。
また、テープ起こしはライター育成の上では有益な方法なので、一概になくすべきでもないが。
*1:当然、 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)
ワンダー・モモーイ。
行ってきましたよ、モモーイライブ@O-EAST。しかも遅れて。入ったらバラードだったので「まあいいや」とか思いながら。*1その後、manzoさんが参加され、モモーイがワンダー・モモーイに変身したあたりで急激に体調が悪化したので、泣く泣く帰宅。
ちなみに、UNDER17のライブのような見たこともない色の変な汗はかかなかった。
帰路では体調は悪化する一方で、如何に文学フリマに否定神学的反抗ウィルスが蔓延していたかを思い知る。あと「ツンデレ○×」という言葉と「非モテヘルメット」が渦巻き、「ツンデレ番長」「ツンデレ書記長」「ツンデレスキー試論―転移の手触り」「ツンデレ・グループ」「TSU・N・DE・RE日本!」などバッドな方向へ。最寄り駅からの家路で、これではいかんと思い、帰宅後、手を洗っているときに気持ちをスイッチング。儀式って大切ですね。
今日は寝ます。ぐぅ。
文学フリマ。
行ってきました。
挨拶回りして、一通り回ったら、けっこう面白い本があったので購入。昨年の文学フリマには行かなかったし、知人友人に挨拶して終わりかなー、とか思っていたので、予想外に嬉しい。元・波状言論編集部員の皆にも久々に挨拶できたし。
一通り回って休もうと思っていたら、id:igiさんと偶然遭遇。id:igiさんと一緒に回って、休憩しながら四方山話をする。所謂「ニューアカデミズム」とか色々。というか、最近そういう本を割と読んでいるのでid:igiさんがどう思うのか尋ねてみたかったのでこっちから振ったのだけれど。あとはお互いの近況とか本当に世間話。
id:igiさんに「面白そうなので買ってみたんですよ」とか言って購入した本をお見せしたら「それは良さそうだね」とかいう感じでもう一度会場へ。
イベント終了時にid:natsu-kさんに紹介していただいた編集者/ライターの方と喫茶店で色々話す。主にアドバイスをいただいたり、ぼくが何を考えているかとか。
この時も柄谷/浅田とかいう固有名が出たり、今日の知識人の在り方とかいう話になって、自分が必要とする知識の方向性が明確になり、大収穫。あれだな、「宮台/東/大塚=MAOism」*1からニューアカデミズムへ、そして現代思想とかだな。哲学/思想書についてまったく体系的な読みをしていないので、その辺は試行錯誤を徹底しよう。id:igiさんとYさん、そしてYさんを紹介してくれたid:natsu-kさんに感謝。
*1:もちろん(C)id:hitomisiriing。
文学フリマ&モモーイライブ
行ってきまーす。
楳図先生、諸星先生の作品の映画化。
ぼくのマンガ家四天王のお歴々の中で頂点を極められている楳図先生の作品の映画化ラッシュが続いている。
http://umezz.com/jp/
http://www.umezu-movie.com/
しかも来年はあの
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http://www.kaminohidarite.com/
てっきり「影亡者」か「錆びたハサミか」と思ったけど「黒い絵本」とはまた渋い。黒い絵本もいいよねー。あのピクニックのシーンと下水道のシーンは絶対使って欲しい。
すげー世の中になったなぁ、とか思っていたら、今度はやはりマンガ家四天王のお一人、諸星大二郎先生の「生命の木」が映画化!
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD8015/index.html
あの分量であれだけ壮大なお話を作れる諸星先生はやはり素晴らしい。妖怪ハンターシリーズでも屈指の傑作だしね。
昔、友達だったやつに「これすげーよ」とか言って読ませたら「あんだけ複線張ってて、あの落ち?」とか言われて「えー?」と思ったことがある。あれはカフカの
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諸星作品を未読の方は、
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諸星大二郎自選短編集 彼方より (集英社文庫(コミック版))
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