とにかく支持。

 PIPO☆ANGEL’Sというアイドル・グループがいるんですよ。『ピチレモン』というローティーン向けのファッション誌の企画で結成されたユニットで、メンバーは同誌の人気モデルなんですわ。しかもANGEL BLUEというやはりローティーンの女の子から絶大な支持を集めているブランドとタイアップしてて、ちょっと笑っちゃうくらいデータベース的商品戦略の良い見本じゃないかと思うわけです。彼女達はおそらくローティーンの女の子以外から支持を受けることはほとんどないと思いますが、ぼくは好きです(笑)。この前、夜中にたまたま彼女達のデビュー曲のPVを観たら、白いホリゾントにANGEL BLUEの服をたくさん並べただけのセットをバックに歌ってて、そのあまりの文化とメディアと資本の結託っぷりにひっくり返りました。彼女達自身も、微妙な差異性でそれぞれのキャラクターを作りつつ、全体としては同じ構造でまとめることでグループとしてパッケージングされている感じがして*1、しかもそれがまた抜群に可愛いのでブラボー。……何処が動物化に抵抗だ(苦笑)。

*1:彼女達の文化から遠い存在であればあるほど彼女達の容貌や服装や髪型の微妙な差異は読み取れずに「全員が同じ格好をしているに過ぎない」としか思わないが、反対に彼女達の文化圏に近ければ近い程、その微妙な差異や、微妙な差異を持った彼女達の取り合わせの妙を楽しめる。その差異を読み取れるようになるにはかなりグルーピングされているはずで、そのグルーピングはメディアと資本とマーケティング技術が用意しているように見えてならない。またはこうもいえる。現在、世界は断片化が進み、無数の檻によって分割され、自分でも気がつかないうちにその檻の中に誘導されているとしたら? しかも檻の中しか知らない者は、その中で使われる単位が檻の小ささに合わせて無限に小さくリサイズされてしまえばその檻の狭さには気づかない。更に、一つの檻の中に留まることが圧倒的に楽だと感じるとしたら――「檻」は「楽園」となる。