OTAKU/オタク/おたくの定義(?)

 オタク/おたくを全的に定義することは不可能に近い。あまりにも浸透、拡散している上に、文化だけでなく個人のアイデンティティにも結びついているからだ。
 しかし、仮説としてオタクの定義を記述することはそれなりに意味があるはずだ。
 様々な人の意見を考慮し、ぼくの個人的な体験および認識から導き出された仮説は以下の通り。

1.オタク/おたくは思春期に強く見られる心性を持つ、あるいは思春期を過ぎてもその心性を持続させたいと願望する心的類型であり、文化である。
2.オタク/おたくは主としてアニメ、マンガ、ゲームによって培われてきた表現やキャラクターに「現実」とは別種の存在感を強く感じる心的類型であり、文化である。

 斉藤環さんの

戦闘美少女の精神分析

戦闘美少女の精神分析

をぼくなりに言い換えるとこうなる。
 こう考えると大体、整理がつくんじゃないかな。男性オタクの無意識的ホモソーシャル空間とか中二病とか童貞賛美とか女性への憧れ≒欲望/嫌悪とかサークルクラッシャーとかやおいが男性のホモソーシャル空間への女性的視点による解釈の現れであることとか百合のシスターフッド*1とか。

*1:女性の場合、ヘテロセクシュアルによる強制的な性的客体化を避け、自己愛と他者愛を同一に満たす(あるいは二者を同一化する)ための装置として、男性の場合、自身の男性性への嫌悪、忌避あるいは女性の皮を被って自らの性的主体=ファルスを隠し、女性の皮を被ることで女性に悟られぬままにファルスそのものとして女性を愛し、愛されるための装置として。