メディアの向こうの世界の補足。

 id:hhosono:20031016で書いたテレビとお笑いに関する関係についてですが、誤解を招くおそれがあるので、補足します。
 まず、現在のテレビ番組では、コントや漫才はやりにくくはあるものの、そういった才能があるお笑い芸人がいなくなったといいたいわけではありません。現にいるしね。ただ、才能のある芸人も、テレビ界で売れてくると、コントや漫才をやらなくなってしまって、バラエティ番組でのリアクション要員/コメンテイター/司会者的な立ち位置に収められてしまうわけで、それがつまらないと思うのです*1。確かに昔からお笑い芸人の出世街道のあがりは司会者か政治家ではありますが、例えば吉本の大御所の司会振りやそこに至るまでの芸人としての経緯と、今、40才前後の中堅どころの芸人のそれを比べると明らかに違う。大きなシステムに組み込まれている感じが否めない。*2
 何か乗ってきたからお笑い批判続けると、新人芸人にとりあえず一発ネタやらせて、確率的にまぐれ当たりした芸人をピックアップしてCD出させて、すごい勢いで営業とか回らせて飽きられたらそれで終わりみたいなのは芸人をスポイルするだけなのでもうちょっとどうにかしてほしい。三瓶とかテツandトモとかはなわとかダンディ坂野とか。あと、あるあるネタ芸人はもういいよ。特にテツandトモあるあるネタ芸人なのにまったく共感できねぇよ! 「両さんの眉毛がカモメみたいに見えるの何でだろう〜」って、そりゃカモメに似た形してるからだよ! 「両さんの眉毛がカモメみたいな形してるの何でだろう〜」ならまだ解るけど。
 毒づいているだけなのもどうかと思うので、好きな芸人の話をします。ぼくはパペットマペットとか劇団一人とか鉄拳が好きです。特にパペットマペットさんは、あのままずっとやって欲しいです。40年くらい経っても「牛くんと蛙くんのショートコント!」とかやってたら、もうそれだけで面白過ぎると思います。若手〜中堅芸人に「パペットマペット師匠、お先に勉強させていただきます!」とか云われたり、あの格好で楽屋で「まぁいいからここに座れ」とかいって後輩に説教したりして欲しいです。
 あとくりぃむしちゅ〜の上田さんと、やるせなすの中村さんは、若手〜中堅芸人の中で一、ニを争うくらい突っ込みとコーナー司会が巧いと思います。
 最期に暴言を吐くと、お笑い芸人でさえ、キャラクター化が進む昨今、そのキャラクター性にアニメ/マンガ/ゲーム的想像力が否応なく介在しているように見えて仕方がありません。が、これがぼくがオタクであるが故のフィルタリング効果のものか、ある程度の普遍性を持った現象なのかは解りません。
 などというくらいお笑い好きなら、やっぱりライブに行くべきですよね。だれか一緒に行きませんか?

*1:だって、ココリコの「いきなり! 黄金伝説」って、ココリコが司会じゃなくても成立するじゃん! それに比べると、未だに笑う犬シリーズや「内Pプロデュース」でコントや新人芸人がやるようなことをやり続ける内村光良さんはえらいと思う。

*2:おそらく、そこに最も抵抗していたのがダウンタウン松本人志さんなわけで、最近の松本さんはそうした意志を放棄してしまったかのように見える。