文学フリマレポート

 去る11月3日に青山ブックセンター本店で開催された、文学フリマという非オタク系文章同人誌即売会*1に参加してきました。せっかくなので、ぼくが文学フリマに参加するに至った経緯を含めて事の一部始終をレポートします。

2003年10月14日くらい(id:hhosono:20031016#p2)
 前田君(id:mae-9)が同人誌を作りたいというので相談を受ける。何でもid:hitomisiriingこと山田君と一緒に文学フリマあわせで文章系同人誌を作るとのこと。第1回モスコミューン・オフ会(id:hitomisiriing:20030910)に参加申し込みをしておきながら直前でキャンセルしてしまっていたので、主宰のid:hitomisiriingがどんな奴か興味があったということもあり、会う事にする。
 吉祥寺で待ち合わせたので、アンナミラーズMai:lishのどちらがいいか聞くと、「Mai:lish!」と即答するid:mae-9(笑)。Mai:lishに行くと壁際の席に案内されたので、id:mae-9id:hitomisiriingの二人を壁際の席に座らせ、店の中央が見られるように配慮する。*2案の定、視線が泳ぐid:mae-9(笑)。
 色々話を聞いた結果、同人誌を作ったことがないばかりか、DTP環境も持っていないということなので、編集を引き受ける。理由は面白そうだったから。*3
 この時点での彼らに対する印象は*4二人ともバリバリの現代系オタ。ただし、id:mae-9は萌えというかオタク寄りでid:hitomisiriingサブカル寄り。

10月16〜19日(id:hhosono:20031019)
 モスコミューンの同人誌『KLUSTER』の表紙を作る。イラストは魔法のデザイナーマリちゃんが創ったキャラクター、イケニエを使わせてもらえるとのこと。「やべぇマリちゃんのイケニエ使わせてもらえるのか嬉しいけど頑張らないとなーよーし同人の力見せてやるー!」などと思いつつ、前に他人に任せて失敗したリベンジとして、「ロシアアヴァンギャルド・ミーツ・テクノ」をコンセプトにデザイン開始。いつもどおりハイ・コンテクスチュアルなデザインワークで小ネタを満載し、独り悦に入る。完成品を自分で見て、あまりの共産趣味っぷりに大笑いする。モスコミューン出版部には相応しいかと。
 作業中は色々な音楽を聴いていたが、中でもモモーイがヘヴィー・ローテーション。ぼくとid:mae-9の二人が脳汁出まくりで「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!」とか云ってたらid:hitomisiriingが素でひく(笑)。そんなid:hitomisiriingの態度を見て、ぼくとid:mae-9で狼狽えながら「いやモモーイは単に萌えだけじゃなくて歌も巧いし楽曲もいいんだよアレンジもかなりハイ・コンテクスチュアルでニクいんだよ」とか説明して余計にひかれる(笑)。
 19日にid:mae-9東浩紀さん(id:hazuma)に用事があって会いに行くというので、id:hitomisiriing共々ついていく。4人で飲み屋に入り、『KLUSTER』の表紙見本をid:hazumaさんに見てもらったり、様々な話をした後、駅前で「はてなマスター近藤さんを東京に御招待するオフ」の話で盛り上がる。イイ感じにメートルを上げるid:hazumaさんを見て「ああ、よほど歯が痛いんだなぁ」と思う。

10月20〜22日くらい(id:hhosono:20031020、id:hhosono:20031023)
 『KLUSTER』の本文編集作業をする。雑誌『ファウスト』をちょっとだけ意識して作ったため、In Designで作業したかったのだが、持っていなかったのでQuark Expressで作業する。が、Quark使うのが久々だったので若干忘れていて素で焦る。DTP師匠の永山薫さんに電話で質問して解決。有難うございます。>永山さん
 この4日間はマジで修羅場だった。何とか完成したので三人でポプルス@立川に入稿しにいく。入稿しに行く途中の中央線車内でプリントアウトした本文見本を読んでいたら、直し忘れた誤植を発見して本気でへこむ。ポプルスから帰る途中、中央線で三鷹を通過する時にid:mae-9が「三鷹といえば五代君ですよねー」とか真顔で云うのでちょっとフリーズする(笑)。「やべえ、こいつもか!?(笑)」と。*5とりあえず「id:mae-9君の思考は、シニフィアンの戯れによって駆動されているんだね、本質的にね」とつっこんだら、納得したらしい(笑)。

10月21日(id:hhosono:20031021、id:hhosono:20031023)
 ぼくらが「はてなマスター近藤さんを東京に御招待するオフ」のことをはてなで書いた態度について、ある方から御忠告をいただき、反省する。確かにぼくたちは、はしゃぎ過ぎていたし、それははてなのためにも良くなかった。忠告して下さった方には感謝したい。

11月1日
 コピー誌『Cluster』の編集作業をする。id:hitomisiriing君とその友達の前島君(id:cherry-3d、『KLUSTER』で小説を書いた人)、柵朔君(id:saCLA)、金城君(『KLUSTER』で乱歩論を書いた人)が製本の手伝いに来てくれる。が、DTP作業が全然終わっていなかったため、id:cherry-3did:saCLA、金城君が暇になる。ごめん。何とか編集作業を終えて、コピー誌印刷、製本の途中で一度中断。

11月2日
 コピー誌の製本作業再開。id:hitomisiriingid:cherry-3dが手伝いに来てくれる。id:hitomisiriingid:cherry-3dは午前中にid:mae-9と『KLUSTER』を文学フリマ会場に搬入しに行ってきたのだが、id:hitomisiriingの報告によれば、id:mae-9は搬入に使ったカートを見て「よーし今日からお前の名前はコバーンだ!」という名言を残していたらしい(笑)。しかもid:hitomisiriingは超スルーした上にid:cherry-3dは気づいてなかったらしい(笑)。「何でそんな面白いネタ放置するんだよ! つっこめよ!」と、謎ギレしてしまった。
 この日も思ったより作業が遅れてしまい、終電間際で二人は帰宅。その後、独りで製本作業をやるが、作業の目処がついたあたりでうっかりはてな巡回し始めたり、名刺を作ったりしていたら、気がつくと朝の5時過ぎ。はてなid:hazumaさんの日記を読んだら「多少時間を工面したところでいま抱えている仕事は何ともならないことが判明したので、これから速攻で寝て、文学フリマ、昼間ぐらいに遊びに行きます」と書いてあってid:hazumaさんのパワフルさにびびる。

11月3日(id:hhosono:20031104)

*この日は色々あったため、事実と記述の時系列に若干齟齬があるかもしれません。その点は御容赦願います。
 
 いよいよ文学フリマ当日。コピー誌その他を持って、青山に向かう。何だかんだで待ち合わせ時間に遅れてしまったのでid:hitomisiriingに申し訳ないと思いつつ会場に向かうと、id:hitomisiriingから「id:mae-9が来ない」というメールが。何とか会場前まで来たのでid:hitomisiriingにメールを打とうとしたら携帯電話の電池が切れる。泣きそうになりながら近くのコンビニで電池を買う。*6会場前に戻ると電話をしているid:mae-9発見。
 ようやく会場入りすると、既に用意は完了していた。偉いぞid:hitomisiriing! お隣のサークルの主宰者、更科修一郎id:cuteplus)さんに御挨拶。前々から共通の知人がとても多いということが解っていた加野瀬未友さんもいらっしゃったので御挨拶する。「実はぼくと加野瀬さんは共通の知人が多いんですよ」という話をして、「世間は狭いですよね」という結論に至る。お二人とも初対面だったので多少緊張する。
 しばらくすると文学フリマ事務局の望月さんから御挨拶と諸注意があった。大体はごく当たり前のことだった。文学フリマの参加者の皆様は常識人が多いように思えたので、口頭で伝えるだけでいいのだろう。コミケ参加者も、もっとマナーをわきまえるべきだと思う。
 用意も終わって開場を待っていると、id:hitomisiriingが作った文学フリマ非公式掲示板でコピー誌のことなどを話したYさん(id:sskhkh)が御挨拶に来てくれた。知らない人と同人誌という趣味を通じてコミニュケーションがとれるのが即売会の良いところだ。
 とかいってるうちにいつの間にか文学フリマ開始。開始15分くらいだけモスコミューンに列が出来たので、列整理などをやる。コミケ参加者と違って、参加者が列に並ぶ事に慣れていないのと、通路が狭いので若干苦労する。*7その後もわりと途切れることなくモスコミューンの同人誌が売れる。
 『KLUSTER』を買ってくれた人々の中に、日記サイト「“裏”日本工業新聞!!」のタニグチリウイチさんがいらっしゃったのでしばし談笑する。前にとある忘年会で同席したのだが、その時は一言も話せなかったし、いつも拝読させていただいている日記サイトの方なので多少緊張しつつもお話する。
 その後、id:hitomisiriingはモスコミューンのスペースにいらっしゃった様々な人々に同人誌を買っていただいたり、差し上げたりしていて、『KLUSTER』は注目されているのだなぁ、と思う。
 今回、サークル入場したのは、id:hitomisiriingid:mae-9、そしてぼくの3人だったが、開場後にお手伝いの人々が何人かやって来た。大体は第一回モスコ・オフやファウスト・フェスティバルなどでid:hitomisiriingが知り合った学生たちだが、id:igiさんも来てくれた。噂どおりの男前。ぼくは今まであまりオフ会とか参加したことがないので、ネット上の知り合いとオフラインで会うのって何だか奇妙な感じがする。
 売り子をしてるだけではなく、会場内も回ってみようと思い、他のスペースを見て回る。同人誌即売会における文章系同人誌の最大のネックは、ある程度読まないと内容がわからないこと。やはり表紙のデザインは重要だと再認識する。回っているうちにインクビンに貝殻とかダイスなどの飾りと一緒に文章を書いた紙を一緒に入れた「瓶詰め小説」というのを見つけて大興奮する。当然即ゲット。瓶毎にナンバリングがしてあって、小説の内容や一緒に入っているものが違うという芸の細かさに「やべぇ、『KLUSTER』負けてるかもいやいや負けてねぇぞ負けてないったら!」などと狼狽えながらも賞賛する。自分の認識の埒外にある良いものを見つけると無性に嬉しくなるね。やっぱり文学フリマいいなぁ。
 途中でid:cherry-3did:saCLAと昼食に行く。青山ブックセンターの目前で青山学院大学があって、学園祭をやっていたので3人でひやかしてまわる。模擬店が色々あるが、これというのがなくてうろうろしながら自分の学生時代のことなどを思い出していると、セーラー服を着た売り子(当然青学の学生だろう)に「ナシゴレン食べませんか?」と声をかけられ、ホクホクしながら一つ買ってしまう。「ああ、オレは本当にセーラー服が好きなのだなぁ」と再認識しつつ食べたナシゴレンは美味しかった。いや、その子が可愛かったからとかではなく、ね。でも実際、可愛かったけどね(笑)。青学の学生達は事前に抱いていたイメージどおり、オシャレで金持ちな感じだった。若いっていいよね。*8
  文学フリマ会場に戻り、売り子をやっているとオタク系雑誌&エロゲ音楽評論サイト「雑誌の住人」のMiLKMANさんと遭遇する。何でも今日の朝方にネットサーフィンをやっていたら文学フリマのことを知って、会場に来たのだとか。MiLKMANさんの夏コミ新刊『電撃の雑誌11年史』は非常によくまとまった資料性の高い同人誌だったので「文学フリマで売れば良かったのにー」とか云ったら夏コミで完売して、現在増刷中とのこと。興味のある方は、冬コミでゲットだぜ! 
 その後もだらだらと喋っているとMiLKMANさんが「大塚さんにサインもらおうと思って持ってきたんですよー」などと云いながら伝説の雑誌『漫画ブリッコ』を徐に取り出した。「うわー、チャレンジャーだな、この人」とか思っているとid:cherry-3dが「ぼくも持ってきましたよ!」などと云いつつ、同じく『漫画ブリッコ』を! 知り合いが二人も『漫画ブリッコ』持ってきてるって一体……。ていうか怖いもの知らずだよ、若い人達は……と思ったものの、彼らが本気で『漫画ブリッコ』好きなら問題ないよね。
 そしてようやく、id:hazumaさんの御来場。その前からモスコミューンのスペースの周りには今日の打ち上げ兼オフ会に参加する人やらモスコミューン関係者やid:hazumaさんのお知り合いがたむろしていたところにid:hazumaさんが現れたことによって一気に人が集まり、ちょっとした大手サークル@コミケ状態。今回、モスコミューン出版部ではid:hazumaさんが夏コミで頒布したDVDを『KLUSTER』のおまけ(部数限定)として頒布していたのだが、DVDつきの『KLUSTER』にid:hazumaさんがサインを入れてくれたので、突如サイン会が始まる(笑)。『KLUSTER』やDVDだけでなく、持参したid:hazumaさんの著作にサインを入れてもらう人もいたばかりか、そのうちid:hitomisiriingにサインをもらう人も現れる始末(笑)。しかし「綿矢リサと合コンがしたいです」と書くところを「矢リサ」と書いてしまうという、ダメダメっぷりも見せつけられる(笑)。*9しかもid:hazumaさんってば、中学生くらいの女の子二人組にサインをしてあげたら、その子たちに「一緒に写真をとってもらえませんか?」とか云われて、一人ずつツーショット写真を撮られていた(笑)。うーん、微笑ましい。
 id:hazumaさんはその後、会場内を後にして、都立大の学園祭で行われるイベント(id:hazuma:20031105)に出演するため、一路、南大沢へ。社会学者の宮台真司さんとの対談だそうで、どんな内容になるのか期待すると共に学生側の主宰者がid:mae-9ということで、密かにエールを送る。頑張れ、キレンジャーid:mae-9(笑)。
 ついにコピー誌『Cluster』が完売。徹夜した甲斐があった……。
 この辺からかなり疲れてきたのだが、全然知らない女性から「あのー、細野さんですよね? はてな見てます」とか云われて内心、素で焦る。せっかく公開しているわけだから、読んで下さっている方がいるのは嬉しいので御礼を言う。しかも「細野さんって、とても落ち着いた方ですよねー」などと云われてますます混乱。マジで「え? どこがですか?」とか素できいたところ、「id:mae-9とかid:hitomisiriingさんとかに比べて、本当に落ち着いた方ですよねー」とか云われるが、流石に彼らとは8歳も年齢差があるしなぁ……。とりあえず「いやでも「モモーイキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!!!」とか云ってるわけで、それを身内が読んで笑うってのは解るんですけど、ぼくを知らない方があれをどう読んでいるのか気になっているんですよー」とか云ったら「いやでもそれは趣味だから人それぞれだし、落ち着いてますよねー」などと云われ、「落ち着きのない人ランキング@練馬大会2位」のぼくとしては内心「???」の嵐。何にせよ、誉められるのは嬉しいので内心舞い上がる。結局、お名前を聞きそびれて後で鬱になる。
 そして exciteブックスというウェブマガジンの方からid:hitomisiriingが取材を受ける。ぼくとid:hitomisiriingがどんな人か知りたい人はここを読んで下さい。掲載画像の左側にいるのがぼくです。ヨネスケ師匠とか夏目房之助さんに似ているとたまに云われます(笑)。
 取材が終わり、一息ついていると、id:hitomisiriingが「細野さん、この辺の地理に詳しいですか?」などと聴いてくるので、何故かと尋ねたら打ち上げ会場の下見に行くところだと云うので、別に青山など詳しくないけど一緒に行く。id:hitomisiriingは用意の良い奴なので打ち上げで使うお店の周辺地図をプリントアウトしていて、それを見せてもらったらあっさり場所が解り、店の場所を確認できる。店が地下にあるので若干、不安が残ったがもう予約をとってしまったのでとりあえず会場に戻る。
 終わり頃になって、いい加減疲れて来たので、id:cherry-3dと一緒にマクドナルドに休憩に行く。アニメ/マンガ/ゲームの表現規制反対運動などについて話す。
 戻って来るとそろそろ撤収をしないとという話になり、準備を始める。この頃から徐々にid:hitomisiriingがテンパり始める。打ち上げの仕切りもあるしねー、と思って撤収の仕切りをやる。しかし「宅急便搬出は5時ちょうどから5時10分までの間に近所のコンビニに持っていって下さい」とかいって伝票持って来るのって、会場とかイベントのシステム上、仕方のないことなのかもしれないけど、ちょっと厳しいなと思う。次回は宅配業者と話をつけるとか、会場を替えるなどの対応をお願いします。>文学フリマ事務局の方々。
 撤収が終わったので、打ち上げ参加者で連れ立って会場に向かう。しかし、集合時間に待ち合わせの場所に来ていない上に連絡がつかない人が数人いるので、id:hitomisiriingが待ち合わせ場所に残り、他の参加者は会場に移動する。

 ここからはあまり覚えていない部分があるのと、個人名など不明な部分があるので、覚えている事の中で印象に残っていることだけ適当に羅列します。以下の記述は記憶を基に書いているので、間違いがあったら遠慮なく指摘してください。特に会話の部分の言い回しはかなり適当です。

【一次会】
・まず、連絡もなしに遅刻するとか、挨拶や自己紹介ができないとか、酔ってつぶれるまたは吐くなど、人に迷惑をかけるような行為は止めましょうid:hitomisiriingは相当困っていたよ。
京極夏彦さんの小説を好きな人が2人ほどいたので、京極作品話で盛り上がる。「

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

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って、ぶっちゃけどうですか? ぼくはあまり楽しめなかったのですが」などとふってみたら、二人とも「京極さんの作品としてはちょっと……」とのこと。本の感想など読者それぞれなのだから、別にぼくの感性と違うからと云って否定するつもりはないし、逆にあれを面白いと思うのなら、どこが面白いのか聞きたい*10と思ってこのような質問をふったのだが、全員楽しめなかったということで、逆に
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

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から
文庫版 塗仏の宴 宴の始末 (講談社文庫)

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文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)

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が如何に面白いかという話で盛り上がる。
id:cherry-3dとその友達の3人でアニメの話で盛り上がる。結論は富野由悠季さんはすごいし、偉いという話になる。
・前日にid:hitomisiriingは超鬱になっていて「ぼくは一次会で帰りますよ」とか云ってたのに、id:cherry-3dのはっちゃけっぷり*11で場が盛り上がったので二次会をやろうという話になり、ぼくとid:hitomisiriingで二次会の会場を探しにセンター街へ。そもそも渋谷に来るのが相当久しぶりだったので、「しばらく来ない内に渋谷も変わったもんだ」などと年寄り臭いことを思う。駅前のスクランブル交差点で革製のホットパンツを穿いている、えらく格好良い女性とすれ違い、来ていた上着の背中にピンクのラメで大きく"J"の刺繍が入っていたので「もしかして太田・J・克史さんのファン?」などと妄想する(笑)。
・一度帰宅していたid:igiさん登場。来て早々に二次会に行く羽目になったのに、お金を集めて会計をしてくれたid:igiさんは頼れる人だ。有難うございました。

【二次会】
・センター街の白木屋に入ると、二次会参加希望者は12人だったはずなのに、何故か19人に増えていた。「さっきは帰るつもりだったんですが、やっぱり参加してもいいですか?」などの断りもなく、フツーについて来るのって一体……。
・予約したのが最大16人入れる部屋だったが、「いくら何でも19人も入れば、そりゃ狭いよね」とかいっていたら都立大でイベントを終えたid:hazumaさん御一行が新宿までやって来るということで、皆で相談した結果、早々に白木屋を立ち去って新宿に行く事にする。何人かはこのまま白木屋に残るということで、全員から飲み代を集めて、残る人達に集めたお金を託して、一路新宿へ。

【三次会】
・新宿へ行く途中で一人、何も云わずにいなくなっていたが、もう呆れ果てて忘却の彼方へ。
・エレベーターの中でスーツ姿のid:hitomisiriingに「スーツで赤ペンを胸にさしてると先生みたいで嫌だから止めろよなー」とか云ったり、入店後、席についてから「(席が狭くて移動できないので)上着をハンガーにかけてもらえます?」といったid:hitomisiriingに「嫌だよ!」とか云うのってどうなんでしょう? 初対面なのに。もしこれが冗談だったとしても、冗談をいう雰囲気も作らずにそういうこと云うのはやはり良くないと思います。
id:hazumaさんやid:mae-9など、都立大からやって来た一行が到着し、急遽、皆のメートルが上がる
・打ち上げに参加された方の中には、当然ながらはてな日記をやっていない方もいたのだけれど、一次会でぼく達が「いやあはてないいよね」とか云って、はてなの楽しさを語って盛り上がっていたら、次第に「はてなやろうかな」とか云い出す人が現れて、はてな愛好者のぼくとしてはとても嬉しかった。そして三次会で皆が自己紹介する時に、はてなユーザーの人達がIDで自己紹介したら「ああ、貴方があの……!」という感じで認識されるのを見て、「はてなやろうかな」と云っていた人達が「はてなやらないと!」に変わっていったのがとても面白かった。はてなユーザーは閉鎖的だとかよく云われるが、万人が等しくコミュニケーションを取るのは不可能だし、それを目指すとかえって軋轢が生じるものだ。そういう意味で、はてなのシステムはぼくの性分にはとても合っているのだが、当然、誰もがはてなのシステムに向いているわけではないので、はてなを他人に勧める身振り自体がはてなへの忌避感につながらないように、常に気をつけたい。それに、このような機能の全てがはてなが最初に生み出したものではなく、元々言語やコンピュータやインターネットというアーキテクチャーがあってこそのはてなだということにも自覚的でありたいと思う。*12
id:cherry-3dが「細野さんは「パロディ同人誌のパロディ同人誌はあり得ない」といったけど、ぼくは三次創作の可能性ってあると思うんですよ!」などと言い出して、急遽、場が盛り上がる。話の流れとしては皆でid:cherry-3dを論破、というかid:hitomisiriingの「オリジナル信仰を打破したいとか云ってるけど、オリジナル/コピー/シミュラークルという概念区分から考えると、id:cherry-3d君の考えは、作家性を強化するものでしかないと思うんだけど」という非常にクリティカルな指摘とid:saCLAの「id:cherry-3d君の身振りは否認だよね*13のダブルコンボでid:cherry-3dがあえなく轟沈。面白過ぎ(笑)。
id:igiさんとは初対面だったので色々お話する。表現規制その他、アニメ/マンガ/ゲームが文化として、あるいは産業として抱えている色々な問題について考える上で、とても参考になりました。有難うございます。>id:igiさん
id:cuteplusさんの日記の記述(id:cuteplus:20031020)が、まるでぼくの日記に該当すると思っていたのでその辺の話をふると、「自己チェック機能が働いているのはまだ正常ですよ」と云われる。しかし仮にid:cuteplusさんがぼくの日記を読んであのように書いたのでないとしても、やはりあの記述にぼくの日記は該当すると思うし、ぼくの日記によってid:hazumaさんの評価が下がったり、ぼくの日記に感情的な反発をされるのは嫌なので、以後、気をつけようと思う。きっかけを与えてくれたid:cuteplusさんに感謝。
id:hazumaさんが他の部屋に移った*14隙に(笑)、id:hazumaさんの著作をどう思うか、という話題を皆さんにふる。id:cuteplusさんは「面白い誤読をする人」とのこと。ぼくは「オタク的な正しさ」がよく解らないのでその辺をつっこんでみたところ、オタク系文化の定義の話になり、やはりぼくとid:cuteplusさんの認識の相違点がオタク系文化の社会的承認と自分の立ち位置の関係にあると認識する。その後、黒い話を色々聞いてうんざりしたり、アニメ/マンガ/ゲームの表現規制反対運動の話をしてあれこれ考える。
・ついにid:mae-9が降臨。来て早々、皿を抱えながらサラダを食べ出すid:mae-9の姿に一同「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!!!」状態になる(笑)。前Qレンジャー結成だ! そしてid:hazumaさん、大下さなえさん(id:kyupi)、佐藤心君が次々に降臨し、最早祭り状態に。皆さんがこちらの部屋に来たのは「向こうは食べ物がないし、グズグズのおたく話が展開しているから」とのこと。それにしてもid:mae-9は本当に美味しそうに食べるよな、と感心する。
・打ち上げは最後に一本締めで終了。しかしすぐさま牛丼屋に入るid:hazumaさんとid:mae-9でしたとさ(笑)。

 とりあえずこんな感じですなー。文学フリマもオフ会兼打ち上げも概ねとても楽しかったっす。次はより楽しめるように今後も努力します。文学フリマ&打ち上げ兼打ち上げに参加した皆様、お疲れ様でした。次はまた、楽しく飲みたいですね。

*1:ここでいう「非オタク系」とは、文学フリマコミケなどのキャラクター表現を中心にした同人誌即売会とは、イベントの形態や頒布物の傾向において明らかに違うという意味です。勿論、両者は截然と区別できるものではなく、頒布物、イベントの形態、参加者の何割かはコミケなどの即売会とかぶっていたことを無視するものではありません。

*2:何故かは解るよね?(笑)

*3:同人誌の内容も彼らも。

*4:id:mae-9君は初対面じゃなかったんだけど、ちゃんと話したのはこの時が最初だった。

*5:ぼくはよくツッコミ的な人だと思われるのですが、実は天然ボケの人なのです。ただ、周りに強力なボケをする人が多いので、便宜上ツッコミ役を仰せつかっているだけ。

*6:9Vの電池で充電できる緊急用充電器を持ち歩いているので。

*7:念のために明記するが、別にコミケが無条件に良いとか文学フリマがダメだとかいいたいわけではない。文学フリマはイベントとしての蓄積がないのだから当たり前である。しかし、コミケ同人誌即売会としての蓄積があるのだから、文学フリマの参加者は、スタッフも出店者も一般参加者もコミケの良いところは見習って欲しい。

*8:最近再認識したけど、ぼくは「子供」とか「若さ」にネガティブ・イメージがほとんどないのです。若人が無礼をしても、その原因を若さに求めるのではなく、その個人の性格だと考えてしまうし。

*9:しかも背中に「蹴りたい背中」と書かれた紙が貼ってあるという学祭ノリ(笑)。

*10:その読み方がぼくにとって納得ができれば、

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

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を再評価するし、そうした見方を教えてくれた人に感謝するわけで。

*11:加野瀬さんじゃないけど「スレイヤーズが好きだった10代の僕を、どうやって肯定すればいいんですか!」はマジで名/迷言だ(笑)。

*12:結局、「はてなやらねば」と云っていた方々のはてな日記を未だ全部把握できてません。もし、ここをご覧になっていたら、宜しければ御一報願います。

*13:やはり「否認」は言論の最終兵器。

*14:人数の関係で個室二部屋に別れたのでした。